連載⑦🐾 マリーちゃんの決断と私の葛藤|母猫が外に出たがった理由と避妊手術の選択
- かとうようこ
- 7月20日
- 読了時間: 4分
更新日:3 日前
~母猫としての役目を終えた後、彼女が選んだ道~


🏠 巣立ちのあとに始まった、新たなサイン
仔猫たちが、それぞれ新しいご家族のもとへと旅立っていった後のことです。静かに過ごしていた母猫マリーちゃんが、突如、強く外に出たがるようになりました。
サンルームのあちこちに頭を突っ込み、出口を探すように鳴きながら動き回る姿に、私はただならぬ気配を感じました。

🤔 避妊手術…その判断に揺れる心
私は悩んでいました。
仔猫たちがいなくなった直後に、避妊手術のためにマリーちゃんを病院へ連れていくこと――それは、彼女にどれほどのショックや恐怖を与えるのだろうか。
血液検査のために一度病院には連れて行きました。けれど、お腹を切る手術となると話は別です。その経験が、彼女に「裏切られた」と感じさせてしまったら…。もしも、そのことで築いてきた信頼関係が壊れてしまったら…。もう二度と、私の前に姿を現してくれなくなるかもしれない――。
外に出れば、すぐに次の妊娠の可能性があります。感染症のリスクも高まる。それでも私は、彼女の「意思」を無視して、ただ一方的に手術を決めることができませんでした。
あれほど愛情深く、懸命に仔猫たちを育て上げた彼女に、何の対話もなく身体にメスを入れることなど、到底できなかったのです。
そして同時に、「この家で暮らさない?」という私からの誘いにも、彼女ははっきりと拒否の意志を示しました。どこかで線を引いているような、強くて静かな決意が感じられました。

🚪 サンルームの扉を開けた日
ついに、マリーちゃんに外の扉を開ける日が来ました。彼女は一歩外に出ると、大きな声で「ウォーン、ウォーン」と鳴きながら、家のまわりを歩き始めました。
その声は、まるで「仔猫たち、どこ?」と問いかけるかのようで、胸が締めつけられました。

🧘♀️ アニマルコミュニケーターとしての問い直し
私は当時、神奈川のアニマルコミュニケーションスクールに通っていました。認定を受け、さらにレベルアップクラスで学ぶ2年目の終盤。「人間の都合だけで動物に説明もなく、一方的なことをしない」それを胸に刻み、学んできたつもりでした。
けれど、マリーちゃんの姿を見て、鳴き声を聞いて、私は揺らぎました。
「本当に、伝わっていたのだろうか?」
「私の判断は、間違っていなかったのだろうか?」


🐱 それでも、彼女は戻ってきてくれた
そんな不安をよそに、マリーちゃんはその後も、毎日サンルームに顔を出してくれました。
しばらくは中に入ってフードを食べたり、ゆっくり過ごしていったり。やがてサンルームには入らなくなりましたが、外に設置した猫ハウスに用意したフードを、毎日食べに来てくれました。彼女なりに距離を取りながら、でも関係を続けてくれていたように感じました。

✨ キャロル・ガーニー先生との出会い
その頃、私は東京で行われたワークショップに参加するため、上京しました。アメリカのアニマルコミュニケーションのパイオニア、キャロル・ガーニー先生の講座です。
初日の質疑応答で、思い切ってマリーちゃんのことを質問しました。
「あの時、彼女を外に出してよかったのでしょうか?」
先生の答えは、シンプルで深いものでした。
「すべては、動物に聞きなさい。」
この言葉が、私の心に深く響きました。そして2日間の講座を通じて、もっと学びたいという気持ちが強くなりました。
さらに、この講座の中で――マリーちゃんとの未来に、つながる“ある出会い”があったのです。
🔮 次回予告|マリーちゃん、再び母になる
マリーちゃんは、やがて再び妊娠しました。
そしてサンルームでまた、新しい命を育むことになります。
そのとき私は、彼女と避妊手術について交渉を試みました。
次回のブログでは、再び始まった命の物語と、避妊という選択をどう彼女と共有していったかを綴ります。
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