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🍁 湖東三山・金剛輪寺の紅葉散策 ~秋色に染まる山と静かな心の旅~

金剛輪寺の門前
金剛輪寺の門前

🍂 境内に入る前から秋色に包まれる

先日、滋賀県にある金剛輪寺へ紅葉を観に行ってきました。

毎年、秋になると紅葉を観に出かけていますが、今年は湖東三山の中でまだ訪れたことがなかった金剛輪寺を選びました。


境内に入る前から、山全体が秋の色に包まれていて、まるで空気まで薄く紅葉色に染まっているようでした。風が吹くたび、ひらりと舞うもみじが道に降り積もり、歩き始めた瞬間からもう旅が始まっているような感覚になりました。



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山の上の本堂
山の上の本堂
本堂までの300mの坂道 杖を突いて参拝する人の姿も
本堂までの300mの坂道 杖を突いて参拝する人の姿も

🛕 山の上の本堂とお地蔵さまの道

金剛輪寺の本堂(大悲閣)は山の上にあります。

参拝までは坂道や階段が続き、日頃の運動不足がよくわかる道のりでしたが(笑)歩くほどに景色が深まり、視界が徐々に赤と金色に染まっていくのがわかりました。


途中、参道の両脇にはたくさんのお地蔵さまが並んでおられます。

無言のままこちらを見守るように立っておられ、歩けば歩くほど静かに心が整っていくような、不思議で温かい存在感がありました。


本堂にたどり着くと、そこには堂々とした木造建築が。

鎌倉時代末期(1288年)に建立された国宝で、入母屋造り・檜皮葺という密教の本堂建築を代表する形だそうです。静けさに満ちた空気は、ただの「古い建物」という言葉では言い表せない重みと優しさを感じました。


堂内には平安〜鎌倉時代の仏像が並び、秘仏の観音さまが中央に安置されています。言葉ではなく、どこか身体で感じるような、そんな場所でした。


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🌿 散策した庭園──歩きながら鑑賞する「景色の流れ」

参拝を終えたあと、境内に広がる庭園を散策しました。

この庭園は池泉回遊式といわれ、桃山時代から江戸時代中期にかけて作庭されたものだそうです。南庭・東庭・北庭と風景が移り変わる構成で、歩くほど景色が変わり、ひとつの絵巻物の中を歩いているようでした。


特に印象に残ったのは、池に張り出すように建つ茶室「水雲閣(すいうんかく)」。

水面に映る紅葉と建物の影がゆらゆら揺れ、目を凝らしたくなるような静けさがありました。


庭園には石橋、滝石組、中島が配置され、自然の流れと人工の美しさが溶け合っています。池に映る紅葉、風で落ちる葉、鯉が水面を割る音、遠くの鐘の音――

そんな一つひとつが、心をゆっくりとほどいてくれました。



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🍵 おぜんざいと、「旅で出会った味」

散策のあと、境内の食堂で温かいおぜんざいをいただきました。冷えた身体に、ほっと染みる甘さ。

そして驚いたのは、添えられていたもの。塩昆布……ではなく、わさび椎茸でした。

淡いわさび色のその佃煮は、初めは何かわからず食べてみたのですが、柔らかく炊かれた椎茸で、ほんのり辛みと旨味が広がり、とても美味しかったです。

すっかり気に入ってしまい、帰りに売店で買いました。



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🍁 湖東三山・金剛輪寺の秋旅、心に残るひととき

金剛輪寺で過ごした時間は、紅葉の美しさだけでなく、静かに心を整えるひとときでもありました。山を歩き、参道のお地蔵さまに見守られ、本堂の重厚な空気に触れ、庭園の水面に映る色彩の移ろいを感じる──。そのすべてが、日常の喧騒からそっと離れる旅の贈り物のようでした。

そして、散策の最後に味わった温かいおぜんざいと、思いがけない「わさび椎茸」の出会い。旅は景色だけでなく、味覚や小さな発見までも豊かにしてくれるのだと改めて感じました。

季節ごとに表情を変える金剛輪寺。

次はどんな色に染まる山を歩けるのか、今から楽しみです。



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