🌏今だから知っておきたい、災害時のEM活用
- 11 分前
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― 比嘉照夫教授「EMによる国づくりにむけて VIDEO1」より ―
2026年8月現在、熊本では大きな地震の被害が続き、日本各地でも大雨による水害が相次いでいます。
ニュースに映し出される被災地の様子を見るたびに、災害は決して他人事ではないと改めて感じます。
地震や豪雨などの災害が起きた直後は、まず命を守ることが最優先です。
しかし、その後の避難生活や復旧の段階になると、
🚽 トイレが使えない。
🗑️ 生ごみや生活ごみを回収してもらえない。
🏚️ 浸水した家財や汚泥から臭いが発生する。
💧 十分な水を使って掃除ができない。
など、衛生環境の問題が次々と出てきます。
また水害では、泥水が家の中へ流れ込んだり、田畑が浸水したりと、生活環境だけでなく農地にも大きな被害が及ぶことがあります。
こうしたニュースを見ながら、改めて思い出したのが、東日本大震災の被災地で行われたEMの活用です。
🎥 今回ご紹介する動画
今回は、YouTubeで公開されている、EM(有用微生物群)の開発者・比嘉照夫教授のインタビュー動画、
をご紹介したいと思います。
この動画では、東日本大震災から約4か月後の被災地で、EMが実際にどのような目的で活用されていたのかを、比嘉教授が当時の具体的な事例を交えながら語っています。
避難所のトイレや生ごみの悪臭対策をはじめ、津波によって大量の水産物が腐敗した地域での取り組み、気仙沼の港や海、そして海水とヘドロに浸かった水田の塩害対策まで――。
災害が起きたあと、時間の経過とともにどのような問題が生じ、そこでEMがどのように使われたのか。
過去の大きな災害で行われた取り組みを知ることは、これからの災害への備えを考えるうえでも、一つの参考になるのではないかと思います。
今回は動画の中から、特に災害後の悪臭対策と、津波被災農地の塩害対策について、内容を整理してご紹介します。
動画もあわせてご覧いただくと、比嘉教授ご本人の言葉で、当時の状況や取り組みをより詳しく知ることができます。
👤 比嘉照夫教授について
比嘉 照夫(ひが てるお)教授は、沖縄県出身の農学博士で、琉球大学名誉教授。
EM(Effective Microorganisms=有用微生物群)の開発者として知られています。
琉球大学農学部で長年にわたり研究・教育に携わり、微生物の働きを農業や環境改善などに活用する「EM技術」の研究・開発に取り組んでこられました。
その後、EMは農業をはじめ、畜産、環境、資源循環など、さまざまな分野で活用され、国内外へと活動が広がっていきました。
🌱 東日本大震災の被災地でEMはどのように使われたのか
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、巨大な地震と津波によって、東北地方を中心に甚大な被害が発生しました。
動画の中で比嘉教授は、震災から約4か月が経過した時点で、岩手県や宮城県をはじめとする被災地域で、EM関係者による支援が広がっていたことを紹介しています。
その用途は一つではありませんでした。
避難所のトイレ、生ごみ、被災地で発生するさまざまな悪臭。
さらには、津波で被害を受けた水産関係施設や港、海、そして海水とヘドロが流れ込んだ水田など、さまざまな場所でEMを活用する取り組みが行われたと語られています。
🚽 避難所のトイレや生ごみの悪臭対策
災害時には、断水によって水洗トイレが使えなくなることがあります。
ごみの収集も通常どおりには行われなくなり、避難所や家庭では、排泄物や生ごみなどを一定期間保管しなければならない場合もあります。
時間が経つにつれて問題になってくるのが、腐敗と悪臭です。
比嘉教授は動画の中で、東日本大震災の被災地でも、避難所のトイレや生ごみをはじめ、さまざまな場所で発生する悪臭への対策としてEMが使われたと話しています。
🐟 何千トンもの水産物が腐敗
さらに深刻だったのが、沿岸部の水産関係施設です。
津波によって、水産物や水産加工品を保管していた冷凍・冷蔵倉庫が破壊されました。
停電によって冷凍・冷蔵機能も失われ、中に残された大量の魚介類が腐敗していきます。
比嘉教授によると、その量が何千トンにも及ぶ場所もあり、強烈な腐敗臭が大きな問題になったそうです。
そこで、こうした場所にも大量のEMが散布されました。
比嘉教授は動画の中で、当初は50倍程度に希釈して散布することを勧めていたものの、臭いが非常に強い場所では、より濃い状態で使用するなど、現場の状況に合わせて対応したと説明しています。
そして、宮城県や岩手県など各地で、EMを使った悪臭対策が行われていったそうです。
🤝 被災した人たち自身が地域の復興へ
特に印象に残るのが、気仙沼でのお話です。
現地でEM活動に携わっていた方々自身も、津波によって大きな被害を受けていました。
それでも、自分たちの地域を復興させるため、
「気仙沼の港や海をきれいにしよう」
と活動を続けたそうです。
秋田県、山形県、新潟県などからもトラックで支援が入り、ボランティアの方々も交代しながら活動に参加しました。
気仙沼だけでなく、石巻など宮城県内の複数の地域でも、EMのグループによる支援活動が行われていたことが紹介されています。
🌊 津波で海水とヘドロに浸かった水田
そして、私がもう一つ興味深いと思ったのが、津波によって海水とヘドロに浸かった農地の再生についてのお話です。
東日本大震災では、津波が沿岸部の農地にも押し寄せました。
場所によっては、水田が1週間ほど海水に浸かったところもあったそうです。
海水が入れば、当然心配されるのが塩害です。
土壌に多量の塩分が残ると作物の生育に影響するため、当時はすぐに田植えを再開するのは難しいと考えられていました。
そんな中、仙台近郊の農家の鈴木さんから比嘉教授へ、
「何とかヘドロを取り除いて、今年、田植えをしたい」
という相談が寄せられました。
🚜 EMを入れて代かきをして、水を流す
そこで比嘉教授が提案したのが、EMを水田に入れて代かきを行い、その水を排出して塩抜きをする方法でした。
鈴木さんは念のため、2回水を入れ替えて塩抜きを行ったそうです。
しかし、ここで問題になったのが、水でした。
津波によって海岸付近の灌漑施設が壊れてしまい、水田へ十分な水を供給することができなくなっていたのです。
そこで井戸を掘り、地下水をくみ上げて、約1.5ヘクタールの水田へ水を引きました。
そして、EMを入れて代かきを行い、水を排出する方法で塩抜きに取り組んだ後、実際に田植えを行いました。
動画が撮影された時点では、稲が分けつしながら順調に成長している様子が紹介されています。
🌾 「回復には時間がかかる」と考えられていた塩害農地
当時、津波によって塩害を受けた農地は、すぐに作付けを再開するのではなく、時間をかけてヘドロを除去したり、土壌から塩分を抜いたりする方法が考えられていました。
一方、比嘉教授は、それ以前にも海外などで塩害を受けた農地へのEM活用に取り組んだ経験があったと話しています。
また、日本のように雨が多い地域では、十分な水を土壌に通して適切に排水することによって、土壌中の塩分を外へ流していくことができるという考えから、長期間作付けを休むのではなく、水の流れをつくりながら農地を回復させていく方法を提案されていました。
🌱 石巻でも試みられた水田の再生
石巻でも、農協などの協力を得ながら、同様の考え方を取り入れた水田があったことが紹介されています。
こちらではさらに、EMを入れて代かきをした後、何度も水を入れ替えて塩抜きをするのではなく、そのまま田植えを行う方法が試みられました。
農家の方々からは、
「本当にこんな方法で大丈夫なのか」
という不安の声もあったそうです。
田植え後には一部で害虫の被害も発生したものの、動画撮影時には、稲は平年並みの生育を続けていると比嘉教授は説明しています。
🌊 津波による塩害対策として残された経験
こうした結果を受けて、比嘉教授は動画の中で、津波によって水田が1週間ほど海水に浸かった場合でも、梅雨前であれば、EMを散布して代かきを行い、一度排水することで塩抜きができる、という趣旨のお話をされています。
そして、
「このような方法を知っていることが、これから先、津波災害が起きたときの塩害対策につながる。今回の結果を記憶しておいてほしい」
という趣旨の言葉を残されています。
🏡 過去の災害から学び、次の災害への備えに
東日本大震災から年月が経ちました。
けれど今、熊本地震による被害が続き、さらに日本各地で大雨や水害が相次いでいる状況を見ると、当時の経験から学べることは、まだたくさんあるのではないかと思います。
地震、津波、豪雨、洪水――。
災害の種類は違っていても、その後には、トイレ、ごみ、汚泥、腐敗、悪臭、浸水した家屋や農地の復旧など、日常生活では経験しないさまざまな問題が発生します。
だからこそ私は、災害が起きてから初めて対策を考えるのではなく、普段から使っているものを、非常時にどのように応用できるのかを知っておくことも「備え」の一つだと思っています。
今回ご紹介した内容は、比嘉照夫教授が東日本大震災後の現地での取り組みについて語った「EMによる国づくりにむけて VIDEO1」をもとにまとめたものです。
避難所のトイレや生ごみの悪臭対策、大量の水産物が腐敗した沿岸部での取り組み、そして津波によって海水とヘドロに浸かった水田の再生――。
なかでも、海水とヘドロに浸かった水田にEMを入れて代かきをし、水を流して塩抜きを行い、その年の田植えに挑戦したというお話は、とても印象に残りました。
当時、すぐに農地を元に戻すことは難しいと考えられていた中で、実際に農家の方々が取り組み、田植えを行い、稲が育っていく様子が紹介されていることに、私はとても大きな意味があるように感じます。
もちろん、農地の状態は、海水に浸かった期間や塩分濃度、土壌、水の流れなど、その土地によってさまざまだと思います。
だからこそ、こうした実際の災害の中で行われた取り組みと、その後どうなったのかという経験を残しておくことには、大きな意味があるのではないでしょうか。
比嘉教授が動画の中で伝えているのは、単なる方法論だけではなく、
「実際にやってみた結果を、これからの災害のために覚えておいてほしい」
ということなのだと思います。
過去の災害で実際に行われた取り組みを知り、そこで得られた経験を記録し、次の災害への備えにつないでいく。
そして、災害が起きてから慌てるのではなく、普段の暮らしの中で使い慣れているものを、いざというときにも役立てられるようにしておく。
今、改めてそんな「日常の延長にある防災」が大切なのではないかと感じています。




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