冬の庭仕事 〜オリーブと野鳥、そして小さな収穫〜
- かとうようこ

- 2025年12月16日
- 読了時間: 5分

年末が近づき、庭の景色にも少しずつ冬の気配が深まってきました。
気になっていたのは、庭に植えた2本のオリーブの木。
そろそろ剪定をしよう、と重い腰を上げました。
1本は、いつの間にか隣のガレージの屋根にまで枝を伸ばしています。
「早く切らなければ…」と思いながら、日々の忙しさに後回しになっていた木です。
もう1本は玄関前のオリーブで、こちらも気づけばベランダに届くほどの大きさに育っていました。
防犯の面でも少し気になりますし、何より心配なのは猫たちのこと。
もしベランダに出た拍子にオリーブの枝へ飛び移り、
そのまま外へ出てしまったら——。
そんな想像がよぎり、やはり剪定は必要だと感じました。
✂️ 剪定スタイルは夫婦で正反対
木と向き合っていると、不思議と人それぞれの「在り方」が、
そのまま映し出されるように感じます。
私は、成長を信じて手放すことができるタイプ。
夫は、今ここにある姿を大切にし、できるだけ守りたいタイプです。
どちらが正しいということではなく、
その違いを知り、言葉を交わし、すり合わせていく時間そのものが、
家や庭のエネルギーを整えてくれている
——そんなふうにも思えます。
私はどちらかというと、剪定は「思い切ってバッサリ切れるタイプ」。
一方、夫は「木がかわいそう」と感じるようで、なかなか大胆には切れません。
毎回のことながら、
「もっと切って! 大丈夫だよ、また伸びてくるから!」
と、私は木の下から切る枝を指差し、やいやい言いながら指示係に回ります。
そんな小さなやりとりを重ねながらも、
お隣さん側のオリーブは、予定通り全体の3分の1ほどを剪定することができました。
切った枝は、さらに50cmほどの長さに切り分け、車に積んでクリーンセンターへ。
1回およそ30kgの枝を、合計3往復。
なかなかの重労働でしたが、剪定後のすっきりとした庭を眺めると、
体の疲れよりも、心が軽くなるのを感じました。
🕊️ もう1本のオリーブで見つけた、小さな命
ところが、もう1本のオリーブを剪定していたときのこと。
枝の間に、鳥の巣があるのを見つけました。
一旦、鳥は驚いて飛び立っていきましたが、
しばらくすると、またそっと巣に戻ってきました。
その様子から、どうやらすでに卵を産んでいるようです。
巣を避けながら剪定することも考えましたが、
それでは鳥にとって落ち着かない環境になってしまいます。悩んだ末、
卵が孵化し、ヒナが巣立つまで、そっとしておく
ことに決めました。
人の都合よりも、いまここで起きている命のリズムを優先する。
その選択ができたとき、庭の空気がふっと柔らいだように感じました。
癒しは、何かを「する」ことだけでなく、
あえて「しない」ことからも生まれる
——そんなことを、あらためて教えられた気がします。
🌿 オリーブに巣を作る野鳥たち
日本では、オリーブの木に巣を作る鳥として、
ヒヨドリ、メジロ、シジュウカラ、ムクドリなどの、小〜中型の野鳥が多いそうです。
今回、どの鳥かまでは確認できていませんが、
一般的な目安としては、抱卵期が約10〜14日、
ヒナが巣の中で過ごす期間が約10〜15日。
卵がある状態から巣立ちまでは、およそ3週間から1か月ほどになります。
さらに、巣立ち直後のヒナは、地面や低い枝にいることも多いため、
もう1週間ほどはそっと見守るのが無難だそうです。
そのため、残りのオリーブの剪定は2月頃に行うことにしました。
野鳥の次の繁殖期は3月〜7月頃から始まるため、
ヒナや巣に影響する心配はほぼありません。
オリーブにとっても、休眠期から芽吹き前にあたるこの時期は剪定の適期。
ちょうど良いタイミングで作業ができそうです。
☀️ 日差しと、小さな恵み
3分の1を剪定できたオリーブの木の下には、くりちゃんのハウスがあります。
木の枝が整うと、光や風の通り道も整います。
それは、そこに暮らす動物たちにとっても、人にとっても同じこと。
環境が整うと、心と体も自然とゆるんでいく
——庭はそんなことを、静かに教えてくれます。
剪定後は、くりちゃんのハウスにも、そして家の室内にも、
やさしい冬の日差しが差し込むようになりました。
今年は、剪定の際に完熟したオリーブの実も少し収穫できました。
試しに作ってみたドライオリーブは、塩漬けよりも食べやすく、
ちょっとしたおつまみにぴったりです。


🥬 冬でも育つ、レイズドベッドの野菜たち
庭のレイズドベッドでは、寒さの中でも葉物野菜たちが、
静かに、でも確かに育っています。
朝、庭に出て、小松菜をひとつかみ、ネギをひと束。
手にしたそのままを台所へ運び、お味噌汁に入れる。
たったそれだけのことなのに、鍋から立ちのぼる湯気に、ふっと心がほどけていきます。
「今日もちゃんと育ってくれている」
——そんな小さな安心感が、この季節のささやかな楽しみです。
そのほかにも、ホウレンソウ、水菜、レタス、春菊が、
レイズドベッドの中で順番に葉を広げ始めています。
さらに、大根、スナップエンドウ、そら豆も、
土の中で春に向けた準備を静かに進めているところです。
すぐに目に見える変化はなくても、土の下ではちゃんと季節が巡っている。
待つ時間さえも滋養になる——冬の畑は、そんなことを教えてくれます。
🍇 来年の楽しみ
そして最近、新たにブドウの苗を植えました。
来年の夏には、蔓がどこまで伸びてくれるのか
——そんな想像をするだけで、少し気持ちが明るくなります。
庭仕事は、すぐに結果が見えるものばかりではありませんが、
手を入れすぎず、命の流れを信頼して待つこともまた、
大切な関わり方なのだと感じています。
静かな庭で、季節の移ろいと小さな命の営みに耳を澄ませながら、次の季節を思い描く。 そんな「冬の庭仕事」の記録でした。




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