✂️ ミシェルの爪切り奮闘記|少しずつ築く信頼とケアの時間
- かとうようこ
- 7月10日
- 読了時間: 4分

一昨年、我が家の猫・ミシェルの爪が肉球に刺さるという、思いがけない出来事がありました。あのときの痛ましい記憶が忘れられず、二度と同じことが起きないよう、ずっと気をつけてきました。
とはいえ、ミシェルはもともと元外猫。人への警戒心が強く、特に“手”に対しては敏感です。甘えてすり寄ってきても、触ろうとするとスッと身を引き、なかなか触れさせてはくれません。
🐾 少しずつ、触れ合いの練習
毎日、私がデスクに座ると、足元までやってきて、猫じゃらしで撫でてほしいと甘えるミシェル。直接手で撫でるのはまだ難しいけれど、猫じゃらしでやさしく触れながら、彼女の気づかない隙にそっと手で撫でてみたり、指先を鼻先に近づけて「こんにちは」をしてみたり…。
そんな日々を重ねていくうちに、少しずつではありますが、触られることへの拒否反応が和らいできたようにも感じています。(これでも一緒に暮らして8年経っていますが)
とはいえ、油断すると、振り返って手をにらみ「ダメ!」という意志をはっきりと見せてきますが…。
✂️ ついに爪切りのチャンスが!
最近、ミシェルが歩くたびに「カツカツ…」と爪の音が聞こえるようになってきていました。「そろそろ切らなきゃ。また刺さったら大変…」
そう思っていた矢先、ついにチャンスがやってきました。偶然のタイミングを見逃さず、逃げ道を塞いでいきながら、部屋の隅でミシェルをなんとか捕獲。
案の定、悲鳴を上げて大騒ぎするも、バスタオルにくるんで抱っこに成功!
以前は、捕まるとショックでおしっこやウンチを漏らしてしまうこともありましたが、最近はそれもなくなりました。それだけでも大進歩です。
🐾 もう少しで…また刺さるところだった
後ろ足の爪は、左右とも外側がかなり弓なりに伸びており、もう少しで肉球に食い込む寸前。右前足の人差し指の爪に至っては、すでに少しだけ肉球に食い込みはじめていました…。
「痛かったね、ごめんね」そう声をかけながら、1本1本、丁寧に爪を切っていきました。

🫶 捕まえた時だけのスキンシップ
ミシェルの場合、抱っこできるのはこうして捕まえた時だけ。せっかくなので、そのまましばらく一緒に過ごしました。
抱っこしながら、頭や体、足を撫でてみると、最初は怒っていたものの、徐々に力が抜けていき、最後はタオルを外しても大人しくなり、一緒に寝転んでゆっくりとした時間を過ごすことができました。

🏠 新しいハウスでくつろぐ夜
夜になると、ミシェルはようやく慣れてきた新しいハウスで休んでいました。警戒心が強く、最初はまったく近寄らなかったハウスも、2週間ほど経ってやっと「安心な場所」だと認識してくれたようです。
デスクの前に座りながら、箱の中のミシェルに猫じゃらしを見せると、足元までやってきて「なでて」とアピール。手ではなくても、猫じゃらしでのスキンシップが、今の彼女には心地よいのでしょう。
歩く足音も静かになり、しばらくは安心です。ミシェルなりに、少しずつ心を開いてくれているのを感じます。
「いつか、自然に抱っこできる日が来たらいいな…」
そんな想いが、またひとつ小さく積み重なりました。


🐱 もう一匹の元外猫、マリーちゃん
うちにはもう一匹、今年の1月に家に迎えた元外猫のマリーちゃんもいます。
この子もまた、触ろうとすると警戒モードに入るタイプ。
でも、指先を近づけると、鼻先をちょこんと近づけてくれる“猫のごあいさつ”はしてくれます。ただし、その先は厳禁。指で少しでも触れようとすれば、ピシッと爪を出した前足で拒絶されます(笑)
でも、猫同士ではとても社交的で、アメとは毎日のように取っ組み合って遊んでいます。
🌱 時間をかけて育む、信頼のかたち
元外猫にとって、人間は「警戒すべき存在」。
その本能は、そう簡単に消えるものではありません。
けれど、少しずつ、少しずつ。
こうして信頼を重ねながら、彼女たちが「この家は安心できる場所」と思ってくれるように、私たちも工夫を重ねています。
マリーちゃんの爪切りもまた、チャンスを待って行う必要がありますが──それもすべて、命と暮らしを守るための大切な時間だと思っています。
爪を切ること、触れ合うこと、信頼を築くこと。
どれも一朝一夕ではいかないけれど、だからこそ、1回1回がかけがえのない出来事になります。
これからも、彼女たちのペースを大切にしながら、優しく寄り添っていきたい。そんな想いを胸に、今日もまた、猫じゃらし片手にそっと声をかけています。
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