🐾 ミシェルの自己申告 〜痛みと信頼と、これからの関わり方〜【再投稿】
- かとうようこ
- 7月9日
- 読了時間: 4分
※本記事は、以前に公開していたページにシステム上の不具合が生じたため、再投稿させていただきました。 今後、この記事とつながる新しいエピソードもご紹介していく予定です。ぜひあわせてご覧いただければ嬉しいです。

昨年末(2023年)我が家の猫ミシェルに、思いがけない出来事が起こりました。
人恐怖症のミシェルですが、最近では、私がデスクに座っているとすぐそばまで来て、お腹を見せたり、すり寄ってくるようになっていたのです。
少しずつ心を開いてくれているその様子が、嬉しくてたまりませんでした。
❓「あれ…姿を見ないな」と思っていたら
ところが、数日ほど姿をあまり見せなくなり、心配していたある日。久しぶりに現れたミシェルは、少し離れたところから片足をあげて、じっとこちらを見つめてきました。
すぐに「足が痛いのだ」と直感しましたが、問題はそこからです。ミシェルは人が近づくのを極度に怖がる子。けれど、状態を確認するにはどうしても捕まえるしかありません。
ただ、彼女のような子は、一度捕まえるとその後の警戒心がさらに強くなり、次に接触するのがますます難しくなるのです。
🩺 潰瘍? それとも…
ミシェルは「好酸球性肉芽腫症候群」という体質を持っていて、悪化すると肉球や口の中、皮膚に潰瘍ができ、かきむしってしまうことがあります。
もしかして、またそれが出たのかもしれない。そう思い、翌日すぐに近所の動物病院に予約を取り、夫と協力して逃走経路を塞ぎ、なんとかミシェルを捕まえました。
そして、足の裏を確認してびっくり。なんと、前足の爪が2本も肉球に刺さっていたのです…!
滲む血。歩くたびに爪が傷に食い込む構造に、胸が締めつけられました。どれほど痛かったことでしょう…。言葉になりませんでした。
高齢猫に多いケースだそうですが、特に前足は弧を描くように爪が伸びるため、1回転して肉球に刺さることがあるそうです。
🗣️ 「助けてほしい」の自己申告
しばらく痛みで身を隠していたけれど、我慢の限界だったのか──「助けてほしい」と自己申告するように、姿を見せてくれたのかもしれません。
そう思うと、あの見つめてきたまなざしが、より切なく思い出されます。
🎀 エリザベスカラーと、再び閉じた心
病院で爪を切ってもらい、傷の処置を受けたミシェルは、1週間のエリザベスカラー生活に。その日から、また心の扉を閉ざしてしまいました。
ごはんを持って部屋に入ると逃げて隠れ、次に様子を見に行くとまた違う場所に隠れている…。2日間はほとんど食べず、3日目からようやくウェットフードに少し口をつけてくれるようになりました。
けれど、顔を合わせるたびに「シャーッ」と威嚇され、捕まえたこと、カラーをつけられたことを深く根に持っているようでした。
🫧 それでも、やっぱり寂しくて
4日も個室で過ごすと、さすがに寂しくなってきたようです。部屋のドアの前に立ち、「出たい」とアピールするようになりました。
傷もかさぶたになってきていたので、部屋のドアを開けて出入り自由に。
私と夫を避けつつも、お気に入りの場所に移動して、自由に過ごすようになりました。
✂️ カラーを外す日、そして…
お正月を過ぎ、そろそろカラーを外してやることに。
また夫と連携して、逃げ道を塞ぎながら距離を詰めていき、ついにカラーを外しました。
その瞬間のミシェルの叫びっぷりと言ったら…!
そしてまた怒り、距離を取るように…。
けれど、私たちはもう覚悟を決めていました。
🫶 今後の私たちの関わり方
今回のようなことを防ぐためには、定期的な爪切りが必要です。
これまでは、ミシェルのペースに合わせて、そっと見守るスタイルで関わってきました。でも、今後は私たちの方も、ミシェルの健康を守るための「関わり方」を変えていく必要があると感じています。
もちろん、強引な方法は望んでいません。けれど、「ただ見守る」だけでは守れない命もある。
その境界線を、今回ミシェルが教えてくれたような気がします。
🐱 小さな命の声を聞きとるために
言葉ではなく、目線や仕草で「助けて」と伝えてくれたミシェル。
その小さな声に気づけたこと、そして、彼女のこれからの暮らしにもっと責任を持とうと決めたこと。
これからも、ミシェルと私たちの小さな絆を育てながら、関係性を深めていきたいと思います。
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