🐾 猫には16の言語がある ― 猫たちが交わす“心の会話”とは?
- かとうようこ
- 18 分前
- 読了時間: 5分

20歳のころ、ペットショップに勤めていた時のこと。お店に置かれていた猫に関するパンフレットに、こんな一文を見つけました。
「猫には16の言語がある」「猫たちは会話をしているので、1匹で飼うよりも2匹で飼う方が長生きする」
その言葉を読んだ瞬間、胸の奥がふっと温かくなったのを覚えています。「猫にも言葉がある」――その事実が、私の中で深く響いたのです。
以来、私が初めて猫を迎えるとき、「この子が“猫語”で会話できるように、もう1匹一緒に」と決めました。それは、“仲間と心を通わせながら生きていく幸せ”を、猫たちにも味わってほしかったからです。
🗣️ 猫の「16の言語」とは?
「猫の16の言語」というのは、人間の言葉のような“文法”ではなく、猫たちが使い分ける鳴き声・仕草・感情表現のパターンを指しています。それぞれに意味があり、猫同士、または人間との間で使い分けられています。
たとえば――
「ニャー」:人への呼びかけや要求
「プルルル」:仲間への挨拶や親しみ
「シャー!」:警戒や恐れ
「カカカカ」:獲物を見つけた時の興奮音
「ゴロゴロ」:安心・幸福、または不安を和らげる自己ヒーリング
スウェーデンの音声学者 スザンヌ・ショッツ博士(Dr. Susanne Schötz) が行った「Melody in Human–Cat Communication(MelCat)プロジェクト」では、猫の鳴き声を音声分析し、少なくとも15〜16種類の発声タイプがあると報告されています。ショッツ博士は、猫の声を『音楽のメロディ』のように分析し、イントネーションやリズムで感情を読み解いています。つまり、猫は声の調子や抑揚で「今、どんな気持ちか」を伝えているのです。


💞 猫は“人間との会話”も学んでいる
猫たちはこの“16の言語”を相手(保護者)によって使い分けることもあります。研究によると、猫は保護者の声や反応を観察しながら、“通じやすい鳴き方”を学習していくそうです。
つまり、あなたの家の猫が発している「ニャー」は、その家族だけに通じるオリジナルの言語でもあるのです。まるで、心と心をつなぐ“秘密の会話”のようですね。
🐈⬛ 猫たちが共に生きるということ
あのパンフレットに書かれていた「2匹で飼う方が長生きする」という言葉。今、あらためて思うのです。
それは単に寂しさを紛らわせるためではなく、猫たちが会話し、共鳴し合い、心を豊かに保つためなのだと。
猫同士の“猫語”の世界。そして、猫と保護者のあいだに生まれる“共通言語”。それは、言葉ではなく、音と仕草とエネルギーで紡がれる愛の対話です。
🌈 猫の16の言語・チャート(感情別)
感情 | 鳴き声・仕草 | 意味 |
喜び・安心 | ゴロゴロ、ゆっくり瞬き | 幸せ・信頼 |
呼びかけ | ニャー、ミャッ | 注目を引きたい |
甘え | ニャ〜ン、プルプル | スキンシップ希望 |
警戒 | シャー、ウゥー | 威嚇・防御 |
興奮 | カカカカ | 獲物への反応 |
悲しみ・不安 | ミャーッ、ピーピー | 不安・助けを求める |
探索 | ルルル、ルルッ | 興味・好奇心 |
信頼の合図 | ゆっくり目を細める | 「あなたを信じています」 |
🐾 『猫の隠れた言語(The Hidden Language of Cats)』より
サラ・ブラウン博士が30年以上にわたる猫の行動研究を通じて得た、猫同士や猫と保護者とのコミュニケーションに関する具体的なエピソードや観察結果が紹介されています。
🗣️ 1. 鳴き声の進化と保護者との関係
猫の「ニャー」は成猫同士ではほとんど使用されません。人間とのコミュニケーションのために進化した声で、赤ちゃんの泣き声に似ており、注意を引く効果があります。博士は、この鳴き声が猫と保護者の関係で重要な役割を果たすと指摘しています。
🐱 2. 尾の動きと感情の表現
猫の尾の動きは感情や意図を示す重要なサインです。
尾をピンと立てる → 自信・友好
尾を膨らませる → 驚き・恐怖
博士は、尾の動きを観察することで猫の気持ちを深く理解できると述べています。
🤝 3. 頭をこすりつける行動(バンティング)
猫が保護者や物に頭をこすりつける「バンティング」は、親密さや信頼の証。顔の周りのフェロモン腺を使って相手に匂いをつけ、関係の強化や安心感を得るための行動です。
🌿 4. 野生猫コロニーでの観察
博士は、イギリスの田舎にある猫コロニーを観察し、猫たちの自然な行動を記録。コロニー内の社会的順位やリソースの共有方法など、猫同士のコミュニケーションや保護者との関わり方についての貴重なデータが得られています。
🏡 5. 保護者との関係性の影響
研究によると、保護者の性格が猫の性格に影響を与えることがあります。特に神経質な性格の保護者は、猫にも同様の傾向が見られることが多いとされています。保護者と猫の相互作用が、双方の行動や感情に影響を及ぼす可能性を示唆しています。
🌿 猫語を理解するための5つのステップ
アニマルコミュニケーションでは、猫の言葉を“耳で聴く”というより、“心で感じ取る”ことを大切にしています。猫語を深く理解するには、少しずつ次のステップで感じてみてください。
Step 1|観察する
鳴き声のトーン・長さ・タイミング、体の動きを観察。同じ「ニャー」でも、「ごはんちょうだい」なのか「遊ぼう」なのか違いが分かります。
Step 2|感情で聴く
言葉に変換せず、「いまこの子はどんな気持ち?」と感じる。声の高さ、呼吸、目の輝きが猫の“気持ちの音”。
Step 3|心で返す
返事は、声よりまなざしと呼吸で。ゆっくりまばたきは「愛してる・信頼してる」のサイン。短く優しい声も効果的。
Step 4|波動で共鳴する
猫の心は“胸”で感じるもの。写真を見ながら「いまどう感じてる?」と尋ねると、感覚やイメージが浮かび、それが猫の“心の声”。
Step 5|ありがとうで結ぶ
最後に「いつも一緒にいてくれてありがとう」と伝える。猫にとって深い安心と信頼の波動となります。
💞 猫と心を通わせて
猫の言語は、人間の言葉よりもずっと繊細で純粋、誠実です。声、仕草、心――すべてが「今の気持ち」を伝える手段。
だからこそ、猫と暮らす時間は、“言葉を超えた愛のレッスン”。今日もそばで小さな声やしっぽの動きで語りかける存在がいるなら――どうかそのメッセージを、心で聴いてあげてくださいね🐾💞
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