連載③外猫マリーちゃん、4つ子の赤ちゃんを出産|命をつなぐ奇跡の朝
- かとうようこ
- 1月12日
- 読了時間: 3分
更新日:3 日前
~マリーちゃん、4つ子の赤ちゃんを出産~

🤱 小さな体に宿していた、大きな命
2016年4月16日の朝。マリーちゃんの様子を見にサンルームへ向かうと――そこには、小さな4つの命が寄り添っていました。
マリーちゃんが、無事に赤ちゃんを出産していたのです。
小柄な体で日に日に大きくなるお腹を見ながら、私はずっと悩んでいました。「病院に連れて行くべきかな」「何かあったらどうしよう」
でも、人に慣れていないマリーちゃんを無理に連れて行くことが、かえって大きなストレスになるのでは……と迷いに迷って、最終的には自然に任せることにしました。


✨ 誰に教わったわけでもなく
驚いたのは、マリーちゃんが誰の手も借りずに出産を終えていたこと。
へその緒を噛み切り、胎盤を処理し、仔猫たちを舐めて体をきれいにして、温かく包み込むように寄り添っていました。
本能だけで、完璧にお母さんとしての役割を果たしていたのです。
その姿はあまりにも尊く、思わず胸が熱くなりました。
🐾 小さな4つの命
生まれてきた赤ちゃんたちは4匹。そのうち3匹は、美しいグレーの縞模様のシルバーマッカレルタビー。もう1匹は、やさしい白い毛並みの仔猫でした。
あの時、サンルームの外に現れたグレーのオス猫。「この子たちのお父さんだ」と感じた直感は、やっぱり正しかったのかもしれません。
🌱 始まった新しい日々
この日から、我が家の時間は少しずつ変わり始めました。
マリーちゃんが、全身全霊で赤ちゃんたちを守り、懸命にお世話する姿。その無償の愛に満ちた母性に、私は何度も心を打たれました。
🍼 ひとつひとつのしぐさに、感動
仔猫たちはとても小さく、か細い声で鳴きながら、マリーちゃんの体にしがみついていました。
まだ目も開かないその姿は、まさに「守られる存在」。それでも日ごとに、少しずつ大きく、力強く育っていく姿に、私は感動の連続でした。
🤱 母としての姿、猫としての本能
マリーちゃんは、本当に愛情深く、そして慎重に子育てをしていました。
私が産箱のそばに近づいても、威嚇したり警戒したりすることはなく、「見守ってくれている」と理解してくれていたのだと思います。
彼女の中には、母としての静かな強さと、猫としての本能が、確かに宿っていました。

💗 命をつなぐということ
マリーちゃんの姿から教えられたことは、数えきれません。
命は静かに、でも確かに、受け継がれていく。そして、そこには愛が宿っている。
あの朝、4つの小さな命と出会ったこと。
それは、私の心にずっと残り続ける、大切な記憶となりました。
📷 次回につづく|目が開いた日、小さな冒険のはじまり
次回は、赤ちゃんたちが目を開き、初めてよちよちと動き始めた日の記録をお届けします。
命が芽吹いていく小さな瞬間たちを、どうか一緒に見守ってくださいね。
(つづく)
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