「赤ちゃんを守りたい」外猫マリーちゃんが選んだ場所|信頼が導いた出産準備
- かとうようこ
- 1月12日
- 読了時間: 4分
更新日:22 時間前
〜信頼の証として、彼女が見せてくれた行動〜

🏠 ごはんを食べに来る毎日が、当たり前になった頃
2016年3月。マリーちゃんが我が家にごはんを食べに来るようになって、ちょうど1年が経っていました。
寒い冬の間、彼女は毎日サンルームの外でごはんを待っていました。冷たいタイルの上では体が冷えると思い、私は衣装ケースを使ってシェルターを作り、その中で少しでも暖かく過ごせるように工夫していました。
毎朝、サンルーム越しにマリーちゃんの姿を確認してからごはんを用意するのが、私の日課となっていたのです。
👀 ある日、気づいた「お腹のふくらみ」
そんなある日、マリーちゃんのお腹がふっくらとしていることに気がつきました。
日を追うごとに、彼女のお腹はどんどん大きくなっていき、小柄な体に対して明らかに大きくせり出してくるその様子に、「いったい何匹の赤ちゃんがいるのだろう…」と心配になるほどでした。
🌧️ 姿を消した、ある雨の日の朝
そして、ある朝のこと。
いつものようにごはんを準備し、サンルームから外をのぞくと、マリーちゃんの姿がありませんでした。名前を呼んでも現れず、昼が近づいても来る気配がないまま。
その日は小雨が降っていて、なんとなく不安な気持ちになりました。
「マリーちゃん、どうしたのかな……大丈夫かな……」
何度も外を見に行っては落ち着かず、家事にも手がつきませんでした。
🚪 玄関先で、マリーちゃんが待っていた
お昼ごはんを買いに出ようと玄関を開けたときのことです。
なんと、玄関前にマリーちゃんが、遠慮がちにうずくまっていたのです。
普段は人目を避けるように裏庭にしか現れなかったマリーちゃんが、玄関にいるのはとても珍しいことでした。
「どうしたの?」と声をかけると、彼女はじっと動かず、その場に留まっていました。
🧡 オレンジに輝くオーラが伝えてくれたこと
私はその場で静かにアニマルコミュニケーションを試み、彼女の気持ちを聴いてみました。
するとマリーちゃんのオーラがオレンジ色に輝き、心の中に強く響いてきた言葉がありました。
「お腹の赤ちゃんを守りたい。安全に産みたい。」
その想いを感じた瞬間、1年前に「妊娠しているかも?」と感じた時のことが頭をよぎりました。あの時は早産や流産などで赤ちゃんを失っていたのかもしれない。
もしかしたら、この1年間、彼女は私が信頼できる人間かどうかを見ていたのかもしれません。
🐾 「ついてきて」そして、サンルームへ
目の前のマリーちゃんを放っておくことなど、できるはずもありません。
私は彼女にそっと伝えました。
「わかった、ついてきて。」
そう言って玄関を出て、家のわき道を通って裏庭へ向かうと、マリーちゃんは静かに私の後をついてきました。
サンルームの外からドアを開けて、こう話しかけました。
「ここに入ったら、赤ちゃんを産むまで外には出られないよ。子どもたちは、みんな大切にしてくれる人のところへ迎えてもらうからね。」
その言葉に、マリーちゃんは迷うことなく、すっと中に入りました。



🌸 初めて触れさせてくれた瞬間
私はサンルームのベンチに腰を下ろしました。するとマリーちゃんも、すぐそばに来て隣に座りました。
そしてその時、彼女は初めて、私に背中を撫でさせてくれたのです。
それまで一度も触れさせてくれなかった彼女が、自ら近づいてきてくれたこの瞬間に、マリーちゃんの強い意志と深い信頼を感じました。
(ちなみに、その後また距離は元に戻り、この時だけが唯一触れさせてくれた瞬間でした。)
🛏️ 出産準備と、静かな10日間
その後すぐに、布製のケージにダンボールとペット用ベッドを入れ、上から電気毛布と毛布をかけて、暖かい産箱を用意しました。隣にはトイレも設置して、万全の出産準備を整えました。
それから10日間。マリーちゃんは一度も「外に出たい」とは言いませんでした。
🐈⬛ もう一つの不思議な出来事
数日後のある日、見たことのない猫がサンルームの外に現れました。
それは全身グレーの美しい毛をしたオス猫。
マリーちゃんをじっと見つめていました。
「あっ、この子が赤ちゃんたちのお父さんだ。」
そう、直感で思いました。彼はその一度きりしか現れませんでしたが、マリーちゃんが自分の居場所を彼に知らせていたのかもしれません。
「さすが、アニマルコミュニケーションの達人だなあ」そんな風に、ほのぼのとした気持ちになった出来事でした。

🌷 次回予告:いよいよ出産の日
こうしてマリーちゃんは、自らの意志で安全な場所を選びました。
それは、彼女なりの「信頼」のかたちだったのかもしれません。
そして10日後、いよいよ出産の瞬間が訪れます。次回は、マリーちゃんの出産と、4匹の赤ちゃんとの出会いのお話をお届けします。
(つづく)
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