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🐾見過ごさなかった、その先に~迷い犬と心温まるひととき~

更新日:6 日前


小さなすれ違いが、大きな出来事へとつながることがあります。あの日、ふと足を止めて、車を降りたことから始まった、ひとつの「帰宅」の記録。


🐶ひとりで歩く白黒のワンちゃん

月に一度、夫と一緒にステンドグラス教室に通っています。その帰り道、白黒のシーズーっぽい(ミックスかもしれない)わんちゃんが、歩道をひとりで歩いているのを見かけました。周囲に保護者らしき人が見当たらなかったので、「もしかして迷い犬かもしれない」と夫と話し、車を止めて様子を見ていました。

すると、反対側の歩道を犬の散歩をしている男性が歩いているのが見えました。保護者のようではなさそうでしたが、その男性と犬を見た白黒わんちゃんは、車道を渡ってまっすぐ近づき、しっぽを振って犬の方にじゃれていきました。

私はとっさに車を降りて、その方に「このワンちゃんの飼い主さんですか?」と声をかけました。男性は困惑した様子で「違います」と返答されました。

そのとき、歩道沿いの一軒のお家から、様子を見ていたご夫婦が心配そうに出てこられ、白黒わんちゃんをどうしたらいいかという話になりました。

お散歩中の犬と男性はそのまま去っていき、白黒わんちゃんは、再び車道を渡り、歩いてきた方向とは逆の方へ意気揚々と進んでいきました。

「早く保護しなければ、見失ってしまう」――そんな思いが募る中、ご夫婦は「柴犬を飼っていて、家では保護できない」と申し訳なさそうに話されました。私たちも、片道1時間半の距離を来たばかり。白黒わんちゃんがおそらく近所のお家の子だと思うと、一時保護するにしても発見場所からあまり離れない方がいいと感じました。

ご夫婦が「クレートならありますが、どうしたらいいでしょうか」と尋ねてくださったので、「近くの交番に届けること」「近くの動物病院に写真と情報を伝えること」が有効な手段だとお伝えしました。

そして、まずは白黒わんちゃんを見失わないように、そっと後を追いました。


🏡小さな命が帰る場所

わたしが声をかけながら近づいていくと、白黒わんちゃんは少し逃げるように小走りに進み、やがて一軒のお家の敷地に入りました。

その瞬間、私ははっきりと「ここがこの子の家だ」と感じました。白黒わんちゃんは、私の方を振り返り、まっすぐ目を見てきました。その視線に思わず「ここ、あなたの家なの?」と問いかけると、わんちゃんはすっと玄関の前まで歩いて行ったのです。

アニマルコミュニケーターとしての経験から、ときどきこうした「目で語りかけてくる瞬間」に出会うことがあります。このときの白黒わんちゃんも、まさにそうでした。

私はインターホンを鳴らし、ほどなく男性の声で応答がありました。「白黒のワンちゃんが、ひとりで道を歩いていて…今、こちらの玄関前に来ています。お宅の子でしょうか?」と尋ねると、「うちの犬です」と返事があり、玄関のドアが開きました。足元にいる白黒わんちゃんに「どこ行ってたの〜」と語りかける男性の様子に、わたしもホッと胸をなでおろしました。

車に戻る途中、先ほどのご夫婦がクレートを持って歩いてこられたので、「白黒わんちゃんは、無事におうちに帰れました」とお伝えし、お礼を言うと、ご夫婦も「こちらこそ、ありがとうございます」と温かく返してくださいました。

見過ごさなくてよかった。わんちゃんが無事に帰ってくれてよかった。ご近所に優しいご夫婦がいてくださって、よかった。

ハラハラした時間のあとに、心温まる出来事となりました。


📝 迷い犬・猫を見かけたらできること(備忘録として)

経験から学んだことも含めて、迷い犬・猫を見かけたときにできる行動を、以下にまとめておきます。


まずは安全確保

犬や自分が危険にさらされないよう、車道などでは特に注意して行動しましょう。


様子を観察

首輪や迷子札はあるか?おびえていないか?けがはないか?を落ち着いて見守ります。


保護が可能なら優しく声かけ

おやつやフードがあれば、安心させる助けになります。


保健所・警察署に届け出

これは法律上の義務。連絡だけでもしておくと保護主さんが見つかる可能性が高まります。


動物病院に情報提供

写真があるとベスト。見かけた場所、時間、外見などを伝えると、病院側でも心当たりがある場合があります。


ご近所やSNSでの共有

地域のつながりが、大きな助けになります。町内の回覧板や、地元スーパー、コンビニなどでチラシを貼らせてもらう、ジモティーやインスタなども活用を。



くりちゃんの散歩 一緒に虫を探索中
くりちゃんの散歩 一緒に虫を探索中
くりちゃんを連れて、黒柴を保護するのは到底無理でしたが、帰宅してすぐに近所の動物病院に伝言しておいて本当によかったです。
くりちゃんを連れて、黒柴を保護するのは到底無理でしたが、帰宅してすぐに近所の動物病院に伝言しておいて本当によかったです。

✨もうひとつのエピソード:くりちゃんと黒柴

以前、夫が近所の公園でくりちゃん(鶏)を散歩中、年老いた様子の黒柴を見かけたことがありました。保護者が近くにいる様子もなく、トボトボと公園を出ていく姿を見たそうです。くりちゃんがいたため追うことができず、帰宅後にその話をしてくれたので、わたしがすぐに紐を持って探しに出ましたが、すでに見失っていました。

その後、近所の動物病院に情報を伝えておいたところ、翌日、病院から「黒柴ちゃんは無事に保護者の元に帰りました」と連絡がありました。病院の方でも、心当たりのあるわんちゃんだったようです。


🌿そっと感じとる声に、耳を澄ませて

今回の出来事を通して、あらためて思いました。

“直感”は、ときに言葉以上に明確なメッセージを届けてくれるのだということ。

アニマルコミュニケーターとして動物たちと関わるようになってから、「言葉にならない声」を感じ取る場面が、日常のなかにも多くあることに気づかされています。

目と目が合ったあの瞬間。

玄関に向かったその足取り。

あの子は、ちゃんと自分の家へ戻る意思を持っていたのだと、今でも確信しています。

ほんの少しの「気にかける勇気」が、小さな命を守ることにつながります。

わたしたちにできることを、できる範囲で。

これからも、そんな行動を大切にしていきたいと思います。

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