愛しきキジ白猫たち |シュクレとの出会いと、受け継がれる絆
- かとうようこ
- 2023年7月12日
- 読了時間: 4分
更新日:6月25日

動物の子どもの成長は、本当に早いものです。ヒヨコのくりちゃんがあっという間に立派な鶏へと育っていったように、子猫のアメちゃんも、日に日に体が大きく、たくましくなってきました。
毎日、先住猫のミードやルーシーと一緒に、プロレスごっこや鬼ごっこに興じながら、筋肉がつき、背が伸び、体のラインもしっかりしてきています。
最近では、遊びの激しさに猫じゃらしの紐がちぎれてしまいましたが、先端についたネズミのおもちゃは健在。紐を結び直しながら、毎日元気に遊んでいます。
🐁ネズミのおもちゃが思い出させてくれた、あの子
このネズミの猫じゃらしを見ると、いつも思い出すのが、昨年旅立ったキジ白猫のシュクレです。
彼は赤ちゃんの頃から、このネズミのおもちゃが大好きで、うっかり渡したままにしておくと、必ず皮を剥いで中のプラスチック芯まで噛みちぎってしまうほどの情熱ぶりでした。

🐾二代目キジ白猫・シュクレとの出会い
2009年3月、初代キジ白猫のショコラが亡くなり、残されたのは当時18歳の三毛猫・ミル一匹だけになりました。
ショコラを見送った後も、心のどこかで「またキジ白猫と出会いたい」と願っていた私は、ネットの掲示板で毎日のように仔猫を探しました。しかし、キジ白にはなかなか巡り会えず……。
そんな中、アメショーのミックス猫・ミードを迎えることになりました。けれど、やはりキジ白猫を求める気持ちは消えなかったのです。

📞岡山から届いた、運命の電話
その年の10月、月に一度の岡山出張に向かう電車の中で、実家の兄から電話が入りました。「仔猫、いらんか?」
話を聞くと、なんと甥の息子(かつてショコラを引き合わせてくれた甥の息子)が、小学6年生になっていて、登校途中に仔猫を拾ったというのです。
🐱20年の時を越えてやってきたキジ白猫
岡山の実家に戻り、すぐにその仔猫に会いに行きました。そこにいたのは──キジ白の子猫。
ちょうど20年前にショコラが私のもとへやってきたときと、まったく同じような流れで、今度はシュクレがやって来たのです。
まるで、時を超えた再会のようでした。

🤝兄弟のように育ったミードとシュクレ
ミードとシュクレは、まるでショコラとバニラのように、兄弟のような関係でした。
半年先に生まれたミードが、幼いシュクレの面倒を見てくれて、いつも寄り添いながら深い絆を育んでくれました。
2匹とも、早くに母猫から引き離され、人の手で保護された過去を持っていました。それぞれに、心の傷も背負っていたのだと思います。
ショコラは、自分の前足の肉球を吸う癖がシニアになるまで残っていましたし、他の人には決して心を許しませんでした。
シュクレも、来て間もなく、夫の布団におしっこをしてしまうという“試し行動”をしました。
それはまるで、「こんな悪いことしても、僕のこと好きでいてくれる?」と、愛情を試しているようでした。
私はすぐにシュクレを抱きしめて伝えました。
「シュクレは大事な子だよ、大好きだよ。生まれてきてくれてありがとう。うちの子になってくれてありがとう。」
すると、それ以降、彼がトイレ以外で粗相をすることは一切ありませんでした。

🐾受け継がれていく、キジ白たちの魂
ショコラにはバニラが、シュクレにはミードが、そして今、アメちゃんにはミードが。
こうして思い返してみると、3匹のキジ白猫たちとの出会いは、どれも偶然とは思えない、不思議な巡り合わせです。
きっとそれぞれの猫たちが、タイミングと縁を選んで、私のもとへ来てくれたのでしょう。

💤再び動き出した、命のリズム
シュクレを亡くしてからというもの、どこか寂しげだったミードは、アメちゃんが来てからとても元気になりました。
子猫の無邪気さにときどきイラっとしている様子もありますが、強く叱ることはせず、よく面倒を見てくれています。アメちゃんもミードのことが大好きで、いつも後をついて回っています。
命がまた、つながっていく──そんな温かな循環を、毎日感じています。
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