🐕 シニア犬の認知症に気づいたときに|保護者ができる優しいサポート
- かとうようこ
- 10月2日
- 読了時間: 7分

高齢になる愛犬に「最近様子が変わった?」と感じることはありませんか。夜中に歩き回ったり、トイレの場所を忘れたり、呼びかけに反応しにくくなるなどの変化は、犬の認知症(認知機能低下症)のサインかもしれません。
本記事では、症状のチェックポイントや日常でできるケア、段階に合わせた対応まで、保護者の方に寄り添ってわかりやすく解説します。
🔬 犬の認知症とは?
犬の認知症は、人のアルツハイマー型認知症に似た症状が現れます。代表的な変化は次の通りです。
夜鳴き・徘徊する
トイレの失敗が増える
呼びかけや視線への反応が鈍くなる
好きだった遊びや学習への興味が薄れる
不安や恐怖、攻撃的な行動が増える
複数の症状が2〜3週間以上続く場合は、早めに獣医師に相談することが大切です。
🐾 保護者がチェックできる認知症の症状
方向感覚・空間認識の変化
家の中で迷う
壁や家具にぶつかる
よく通っていた場所で立ち止まる
生活リズムの変化
夜中に歩き回る(夜鳴き)
昼間に急に寝てばかりになる
食事やトイレの時間が不規則になる
トイレの失敗
今までできていた場所を忘れる
家の中で粗相する
コミュニケーションの変化
呼びかけに反応しない
視線を合わせない
表情や感情の起伏が少なくなる
不安・恐怖・攻撃性
一人になるとパニックになる
怖がる・吠える・咬む行動が増える
遊びや学習能力の低下
好きな遊びに興味を示さなくなる
新しいことを覚えにくくなる
同じ行動を繰り返す(常同行動)
記憶・認識の低下
物を探す行動が減る
人や場所、状況の記憶があいまいになる
以前覚えていた習慣ができなくなる

🏡 日常でできるケアのポイント
1. 環境の工夫
家具の配置は固定して迷わないようにする
段差や階段にはスロープやマットを設置
音や光の急な変化を避け、安心感を与える
2. 規則正しい生活リズム
食事・散歩・睡眠の時間をできるだけ一定に
予測可能な生活は不安を減らし、混乱を防ぐ
3. 食事とサプリ
消化しやすく栄養バランスの良いフード
脳機能サポートとしてオメガ3脂肪酸やビタミンE・C、DHAなどを獣医師と相談
4. 認知機能を刺激する遊び
匂い探しゲーム:簡単に見つかるおやつを隠す
軽いトリック練習:「おすわり」「ふせ」「待て」など、成功体験を中心に
パズルフィーダーや知育トイ:低負荷で脳を刺激
5. 社会性・感情のケア
名前を呼ぶ、撫でる、声かけで安心感を与える
待機中や夜間も安心できる居場所を用
6. 自然療法の取り入れ
認知症ケアは「医療+生活環境の工夫」が基本ですが、補助的に自然療法を取り入れると、犬も保護者も気持ちが和らぎます。
🌸 バッチフラワーレメディ
不安や恐怖心が強いときに心を落ち着けるサポート
代表的な例:
レスキューレメディ(強い不安やパニック時に)
ミムラス(具体的な恐怖心があるときに)
与え方:飲み水やフードに数滴垂らすなど手軽に取り入れられる
💧 ホメオパシー
犬の体質や症状に合わせてレメディを選ぶことで、自然治癒力をサポートします。
Baryta carbonica(バリタカーブ):物忘れ・混乱・徘徊に
Arsenicum album(アーセニカム):夜鳴きや不安、落ち着きのなさに
Conium(コニュウム):動きが鈍く、反応が遅い高齢犬に
Ignatia(イグナチア):気分の浮き沈みや感情が不安定なときに
与え方:
レメディを直接舌に落とすか、飲み水に数滴溶かす
様子を見ながら間隔をあけて与える
バッチフラワーとの併用も可能
🌿 ハーブ療法(犬用安全)
カモミール:リラックス、不安や緊張をやわらげる
バレリアン:落ち着き、安眠サポート
ギンコビロバ(イチョウ葉):脳の血流サポート(高齢犬向け)
※用量に注意し、必ず犬用サプリメントやティーを選ぶこと
🌸 アロマ(犬に安全な範囲で)
ラベンダー精油:安心感、安眠サポート
カモミール精油:リラックス、不安の軽減
使用方法:
ディフューザーでごく微量を空間に広げる
直接皮膚や被毛には使用しない(舐めたり吸い込むリスクがあるため)
換気を行いながら短時間で使用
💡 ポイント
自然療法はあくまで「補助ケア」。獣医師の診断や治療と並行して使うことが大切です。
犬の様子をよく観察し、「合う/合わない」を見極めながら取り入れましょう。
保護者自身もハーブティーやアロマを活用し、心を落ち着けて寄り添うと安心感が伝わります。
7. 医療サポート
定期的な健康チェック
必要に応じて認知症改善薬や行動療法を獣医師と相談
🕒 認知症犬向け 1日の理想スケジュール例
時間帯 | 内容 | ポイント |
🌅 朝 | 軽め散歩(10〜15分)、匂い嗅ぎ、朝食(パズルフィーダー・コング活用) | 脳を刺激しつつ、ゆっくり歩く |
🕙 午前 | 休憩・睡眠、軽いコミュニケーション | 名前を呼ぶ、撫でるなど短時間でも安心感 |
🏞 昼 | 匂い探しゲーム、知育トイ | 隠し場所は簡単に、成功体験を重視 |
🕒 午後 | 軽め散歩・トリック練習、休憩 | 短時間・低負荷、褒めて安心感 |
🌙 夜 | 夕食(パズルフィーダー・コング活用)、リラックスタイム | 明かりを落とし、安心できる環境に |
💤 就寝 | 安心できる場所で眠る、匂いのついた衣服や毛布を近くに |
🟢 認知症段階別ケア
1️⃣ 初期(軽度)
家や散歩ルートを変えず安心環境を保つ
トイレ失敗は叱らず、簡単な匂い探しやトリックで脳を刺激
バッチフラワーレメディで軽い不安や緊張を緩和
2️⃣ 中期(中等度)
家の移動を安全に(滑り止めマット・段差解消)
昼夜のリズムを規則正しく
短時間で簡単な遊び・知育トイで脳刺激
夜間徘徊はナイトライトや安全囲いで誘導
不安が強いときは自然療法でサポート
3️⃣ 進行期(重度)
家全体を安全空間に
匂い嗅ぎ・トリック・知育トイは短時間・低負荷で
安心できる居場所を複数用意
不安行動や夜鳴きが強い場合は獣医師と相談
バッチフラワーレメディで強い不安やストレスを軽減
🐕 トリック練習とは?
トリック練習は、犬に簡単な動作や芸を教える遊び・学習です。
目的
脳の刺激:考えて行動することで認知機能を活性化
成功体験:できたことを褒めてもらえる喜びで自信アップ
保護者とのコミュニケーション:声かけや褒める動作で絆を深める
例:「おすわり」「ふせ」「待て」「お手」「おかわり」「回れ」「ハイタッチ」
高齢犬・認知症犬向けのポイント
短時間(1回5分程度)
難易度は低く、成功体験重視
褒めたり撫でたりして安心感を与える
🐕 認知症犬向けトリック練習ステップ例
1️⃣ 「おすわり」
手順:おやつを見せ、頭の上に持ち上げ、自然にお尻を下ろすタイミングで「おすわり」と声かけ
褒めておやつを与える
2️⃣ 「ふせ」
手順:「おすわり」状態からおやつを鼻先から前に下ろす
前足を伸ばして伏せたら「ふせ」と声かけ、褒める
3️⃣ 「待て」
手順:「おすわり」状態で「待て」と声かけ
数秒〜10秒静止できたら褒める
慣れたら距離や時間を少しずつ延ばす
4️⃣ 「お手/おかわり」
手順:前足を軽く持ち上げて「お手」「おかわり」と声かけ
褒めておやつを与える
5️⃣ 「回れ/ハイタッチ」
手順:「回れ」:おやつを見せながら犬をゆっくり回す
「ハイタッチ」:手を差し出し、前足で触れたら褒める
実践のコツ
1回5分程度、1日2〜3回に分けて行う
失敗しても叱らず、成功体験を重視
褒める・撫でる・おやつで安心感を与える
毎回少し変化をつけると脳への刺激になる

💡 ケアのポイントまとめ
叱らず、成功体験と安心感を大切に
規則正しい生活リズムと安定した環境で混乱を最小化
脳への軽い刺激(匂い嗅ぎ・遊び・知育トイ)を日常に
自然療法でリラックスや不安緩和を補助
愛犬を「犬として尊重し、安心して暮らせる環境」を整える
愛犬の高齢期は、小さな変化にも気を配り、安心感と喜びを与えることが何よりのサポートです。環境・リズム・脳刺激・愛情・自然療法の5つを意識して、愛犬との暮らしを豊かにしましょう。
愛犬の小さな変化に気づいたとき、保護者の方の心も揺れるものです。
「これからどう寄り添えばいいのかな?」と感じたときには、アニマルコミュニケーションやアニマルヒーリングを通じて、心の声や安心感を一緒に受け取ってみませんか。
アニマルコミュニケーション
愛犬が今どんな気持ちで過ごしているのかを知ることで、より良いケアやサポートにつながります。
アニマルヒーリング
不安や緊張をやわらげ、穏やかな時間を取り戻すサポートをします。保護者の方ご自身の心の安定にも役立ちます。
大切な愛犬と、これからも安心して心を通わせられるように──。
詳しくは[サービスのご案内ページ]をご覧ください。
▶ アニマルコミュニケーションの詳細はこちら
▶ アニマルヒーリングの詳細はこちら
コメント