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🌧 雨のち雪の予報の日に起きたこと

― オリーブの木の下で、命の循環を思う ―


※この画像はイメージです。
※この画像はイメージです。

🐣 小さなヒナの声

雨のち雪という天気予報が出ていた日。

庭のレイズドベッドにビニールを貼ろうと、支柱を立てに外へ出ました。


そのとき、オリーブの木の上から、

生まれて間もないような小さなヒナの声が聞こえてきました。


先週、枝を剪定しようとしたときに見つけた、あの巣。

鳥は一度逃げましたが、すぐに戻ってきました。

その様子を見て、

もう卵があるのだろう、ヒナが生まれて巣立つまで、このままにしておこう

——そう決めたのでした。


親鳥が餌をあげている気配があり、すぐに飛び立っていきました。

種類まではわかりませんでしたが、中型の鳥のようです。


思わず、ほっこりした気持ちになって家の中へ入り、

テレワーク中の夫に話しました。


「卵がかえったみたい。ヒナの声が聞こえたよ」


夫も嬉しそうに、

「子育ての邪魔にならないように、なるべく見ないようにしていたんだけど、生まれたんだね」

そう言って、窓からそっとオリーブの木を眺めていました。



⚡突然の出来事

午後になり、昼食を済ませてから、夕食用に小松菜を採りに行こうと外へ出ました。


その瞬間です。


オリーブの木から、突然カラスが飛び出してきました。

足に、何かをつかんでいます。


ぎょっとして後を追うと、カラスは焦ったのか、車道に何かを落としました。

車を避けて駆け寄ると、それは——あの巣にいた親鳥のようでした。


すぐに抱き上げると、今まさに絶命したばかりで、

体はまだ温かく、胸のあたりに深い傷がありました。


胸が詰まり、急いで家に戻って夫を呼びました。


「親鳥がカラスにやられた。巣にヒナがいないか確認して。もし生きていたら、助けないと!」


夫は脚立を出して、巣の中を確認してくれました。

けれど、中は空っぽでした。


おそらく、親鳥より先に、ヒナは食べられてしまったのでしょう。



🌿自然界の中で

親鳥を落としたカラスは、また戻ってきて、

近くの電線からこちらに向かって鳴いていました。


カラスにしてみれば、獲物を横取りしたのは私です。


ヒナはもういない。

もしかしたら、親鳥はヒナを守るために、逃げずに戦ったのかもしれない

——そんな思いが浮かびました。


手の中にある、まだ温かい親鳥。

この命を、葬るべきなのか、それとも自然に還すべきなのか。


夫に聞くと、

「そのままにしておいた方がいいんじゃないかな」

と静かに答えました。


そうだよね。この親鳥が子育てをしていたのなら、

あのカラスも、もしかしたら子育て中なのかもしれない。


助けられなかったことは、悲しい。

けれど、自然界のルールの中で、私たちにもうできることはないのかもしれない。



🔄命をつなぐということ

この親鳥は、葬るのではなく、

そのまま次の命につながれていくことに委ねる

——そうすることが、自然の流れなのではないかと思いました。


オリーブの木の下に、そっと親鳥を置き、手を合わせました。


「自然界は、厳しいね……」


そう話しながら、夫と家の中に戻りました。


小さな命が生まれ、そして消えていく。

そのすべてが、私たちのすぐそばで、静かに繰り返されている。


悲しみと同時に、命の尊さと循環を、深く胸に刻んだ一日でした。



🌙 追記 〜 夕暮れのオリーブの木の下で 〜

夕方、日が暮れてから、もう一度外に出てみました。

オリーブの木の下には、まだ親鳥の亡骸が、そのまま横たわっていました。


空からは、ちらちらと雪が舞い始めていました。

あのカラスは、あれから戻ってきていないようでした。

きっと、もう来なかったのだと思います。


このまま冷たい雪に埋もれていくのなら

——そう思ったとき、やはり、このままにはしておけない気持ちになりました。


土を掘り、親鳥をそっと埋葬しました。


どうか、ヒナの魂と共に、虹の橋を渡れますように。

来世では、安心して子育てができ、幸せでありますように。


そう祈りながら、静かに手を合わせました。

雪は音もなく降り、

すべてがまた、自然へと還っていくように感じられました。

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