無農薬栽培のポタジェをつくり始めて2年目に入りました。
4月になり気温が上がると、冬に植え付けた野菜や花が一気に成長し、庭には春らしい華やかな雰囲気が漂い始めました。
ポタジェ(potager)とはフランス式の家庭菜園のことで、果樹、野菜、ハーブ、草花などを混植し、鑑賞と収穫を兼ね備えた庭を指します。我が家には畑がないため、敷地内のわずかなスペース(土がある場所)を隅々まで活用して作りました。
また、レイズドベッド(立ち上げ式の花壇)には2種類の方法を採用しました。一つは糸状菌を利用した無肥料無農薬栽培、もう一つは生ごみを利用した無農薬有機栽培のものです。
写真は一部ですが、作ってみると、省スペースとは思えないほど立派なポタジェが完成しました。
初めは、すべてを無肥料無農薬栽培のレイズドベッドにするつもりでした。
しかし、生ごみを利用した有機栽培のレイズドベッドも必要だと考えるようになりました。その理由は、料理をすると必ず生ごみが出ることや、野菜や花を育てると最終的に植物残渣がたくさん出ることに気づいたからです。
それらをゴミ袋に入れてゴミステーションに持っていくより、土づくりに活用する方が捨てる罪悪感がなくなるだけでなく、自然に還して次の命へ繋げられると思いました。
無肥料無農薬栽培のレイズドベッドでは、庭のオリーブの木から毎年大量に出る剪定枝や葉の処分に困っていました。そこで、これを土づくりに利用できるのではないかと考えたのです。オリーブの枝や葉は非常に硬いため、分解するには糸状菌の力が必要だと思いました。
庭の雑草や植物残渣、野菜の食べられない部分が、これまでは捨てるしかないゴミでしたが、それが土を豊かにし、健康な植物の命を育む「宝物」になると感じています。
また、農薬や化学肥料を使いたくなかった理由の一つは、庭に訪れる動物たちに害を与えたくないという思いからです。農薬は害虫だけでなく益虫や有用な菌までも無差別に殺してしまいます。化学肥料は植物を不自然に太らせることで虚弱にし、病気や害虫を引き寄せる原因になるだけでなく、大気汚染を引き起こす問題もあります。
限られたスペースではありますが、地球にやさしく、人にも動物にも植物にもやさしい「楽園ポタジェ」になってくれることを願っています。
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